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守口・門真のシルバー世代は成長し続けている!!

お仕事ウォッチ!働きやすい職場を拝見!! in 守口・門真

マクドナルドで若者と共に働く|高齢者人材派遣

制服を着た瞬間、若返る喜び

孫世代の若いスタッフと元気よく働く日渡さん(左)
孫世代の若いスタッフと元気よく働く日渡さん(左)
マクドナルドといえば客層は若者が中心で、女子学生のアルバイト先なんてイメージがある。しかし、近年は高齢者を積極的に採用しており、彼ら彼女らにとっても働きやすい職場だという。古川橋店(門真市一番町)に門真市シルバー人材センターから派遣され、主に店内フロアやキッチンの清掃を担当している日渡リツ子さん(69)を訪ねてみた。
孫世代といえる若い人たちと同じユニフォーム姿で現れた日渡さん。小柄な、かわいい感じで良く似合う。最初に着たときは「若い人と同じ服を着れる。一気に若返ったようでうれしかった」と頬を染める。
一番気を使っているのが「来客の中での業務なので、邪魔にならず、不快感を与えないように、と心がけている」こと。「仕事が好きなので、毎日楽しくやっている。若い人が多い職場で、いつも元気をもらっている。ここで働くようになって、体調が良くなった。使っていただける限り、働き続けたい。自分で稼いだお金で孫にもプレゼントを買ってあげたいから」とスマイルを残して、仕事に戻っていった。

日渡さんの働き方

シルバー人材センターでの就労は、原則週20時間程度の短時間。マクドナルド古川橋店では、複数の会員がローテーションで就労している。日渡さんは、1日3時間程度で週3日間、体力的にも無理の無い働き方をしている。

ここで働きたい!

公益社団法人守口市シルバー人材センター
住所 守口市桃町3-30
TEL 06(6998)3601

公益社団法人門真市シルバー人材センター
住所 門真市中町1-1
TEL 06(6905)5911

60歳以上の誰もが入会可能。臨時的、短期的、または軽易な業務を中心に、最近は企業からのシニアへのお仕事依頼が急増中。仕事の内容や条件などは職員が親身に相談に乗ってくれるので、まずは気軽に問い合わせてみては。

シルバーパワーで年商5億

植木の剪定から販売員まで

デリバリーを行っているシルバー人材センターの会員
デリバリーを行っているシルバー人材センターの会員
門真市在住で「健康で働く意欲のある60歳以上」というのを唯一の入会条件とする門真市シルバー人材センター。現在の会員が1614人で、会員増加数が全国的にもトップクラスという優秀なセンターだが、"門真"が誇れるのは会員数だけではない。卓越した営業力でゲットしてくる豊富で、多彩な仕事の数々である。
"ベテラン主婦の目"を生かした仕事がある。スーパーに並べられた生鮮食品(野菜や果物など)を見て回り、傷みはじめたものをチェックし、除外する。力はいらないうえに、経験がものを言う仕事で、シニアにはぴったりの仕事だ。

仕事いろいろ 「なんでもやります」

植木職人がめっきり減ってしまった。後継者もいない。こんな状況で、個人宅の小さな庭まで手が回らず、需要が多いにもかかわらず、放っておかれた状態といったケースが少なくない。そこでセンターは未経験者、それが定年サラリーマンであっても、講習を受けてもらって、植木の手入れや伐採、剪定(せんてい)、消毒などの"職人仕事"に就く。
畑の農作業もある。市内に柳田町など3カ所ある市民農園を、センターでは管理委託されている。畝作りや除草などの作業だ。
会員のヘルパーが市内を走り回っている訪問介護事業所「ささエール」。「元気な高齢者がひとりでも多く、支える側に回ってもらいたい」というセンターの願いを現実化したもので、すでに4年目を迎えている。
新年度から介護補助員として活動する会員も募集している。

「暗」「重」「長」は シニアの職場に向かない

この他にも襖の張替え、チラシ配布、ガラスふきなど、おなじみの仕事や、ファーストフード店での清掃、メンズショップの販売員、送迎サービスといった運転業務、特技を生かしたパソコン講師や着付け、空き家の管理、喫茶店「チエブクロー」のウェートレス、と仕事は限りない。
「港湾運送業務と建設業務を除くすべての職種」とはセンター。ただし営業担当の川原畑浩さんは「暗い職場(夜はダメ)。重い仕事。長い時間。この3つは高齢者には向かない」と断言する。
5億2000万円。これが昨年度の同センターの商い実績で、今年度は6億円になるものと予想している。いや実に「シルバーパワー恐るべし」ではないか。

高齢者は若返っている

健康年齢、5~10年延びる!人手不足の突破口にも

「10~20年前と比較して加齢に伴う身体的機能変化の出現が5~10年遅延しており、"若返り"現象がみられている」─。日本老年学会などが「高齢者の定義見直し」を求めた提言にあった言葉だ。市民感覚からすれば「何を今さら」かもしれないが、医学的根拠も含め、公的に認められたということだろう。つまり「アラ70(古希)」の活躍が今の日本社会には必要なのだ。(若野正太郎)

健康寿命の伸び盛ん

拍手、笑いが絶え間なく会場を包む。持ち時間を大幅にオーバーし、熱弁をふるう登壇者の連続にも、聴衆は熱心に耳を傾け、質問を投げかける。ともに中心世代は60、70代だ。大東市立市民会館(同市曙町)で2月9日に開かれた「大東シニア総合大学」の受講生39人(平均年齢67.7歳)の「学習発表会」でのことだ。
同市は「高齢者が元気になる」さまざまな施策を実施。他県にも知られる存在だが、同大学も大阪産業大学と連携した、そのひとつである。
発表された数あるテーマの中、関心が高かったのは「健康寿命のアップをめざして」だ。健康寿命とは、心身ともに自立し、健康に生活できる期間のこと。2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、単に寿命を伸ばすだけでなく、健康である期間をいかに伸ばすかが注目された。そして現実に寿命の伸び以上に健康寿命が伸び、左図のように、たった10年ほどの間だが、高齢者の若返りが見て取れる。

働くことが 健康に生きるコツ

では健康寿命を伸ばすには、具体的にどうすればよいのか。無論、運動と食事と生活習慣がポイントとなるが、人間なのでつい、楽をしたがる。だから、最低限守っておきたいポイントのみ上げてみると─。
(1)酒を飲み過ぎない
(2)できるだけ野菜や果物を食べる
(3)運動を定期的に続ける
(4)趣味や交流など楽しみを見つけ、散歩でもいいから出かける機会を増やす
よく考えると普通に暮らしていると、さらには普通に働いている人なら、すでにやっていることではないだろうか。つまり、健康寿命を伸ばす一番簡単な方法は「できるだけ長く働く」ことだ。

人材不足は シニアで解消

ただ、高齢者が働き続けるには、本人の労働意欲よりも、むしろ雇う側の意識変革が必要だ。どの業界も人手に困っている割りには、高齢者の採用を避けたがる。反対に高齢者を採用し、うまくいった企業の実例をひとつ上げよう。
門真市四宮にある「大阪コロナ」。松下電器を得意先とした樹脂・金属装飾部品のメーカーだったが、弱電撃沈の時代に直面。しかし、取引先の多方面化を成功させ、ほぼ3倍の忙しさになり、人手不足に陥った。ハローワークや求人誌で募集をかけるが「良い人材がいない」。その時、中田達也社長が気付いた。「よく考えたら私もシニアの年齢だが、まだまだ元気。そうだシニア人材センターに頼もう」
「おかげで良い人に入ってもらい、以後は同センターを活用しながら、今では十数人のシニアに働いてもらっている」と笑顔満面で話してくれた。
昔よりも高齢者が若返っている事実を経営者側が気づけば、多くの企業が直面している人材不足が解消することは間違いない。